正常バイアスをOFFにして全力で避難しましょう

 東日本大震災で被害にあわれた方にお見舞い申し上げます。

 こちらは震度5強の横浜だったので、手で押さえ切れなかった書類が崩れたくらいでした。友人の多くは帰宅難民と化しましたが、数時間歩けば帰れる距離だったらしく、がんばって歩いたそうで。駐車場が液状化したディズニーランドそばへ打ち合わせに行った人が泊まりになったり、友人の福島の親戚宅が床上浸水したなどはありましたが、人的被害は無かった模様。私の東北内陸部の親戚宅も当日夜の停電程度で済みました。

 映像を見ると、海が見えないような街中まで水と瓦礫の塊がなだれ込んできており、地震直後に車でいち早く逃げない限り助からなかったんだろうなと思うと、津波の恐ろしさを思い知らされます。ご近所のお年寄りを気遣って一緒に逃げようとした人や、搬送しようとした救急隊員も巻き込まれたという話を聞くと、彼らの自己犠牲精神に頭が下がります。

 また、ふだん防災意識が高かった人も、激しい揺れが治まったところで「正常性バイアス」が働き、逃げ遅れて津波に遭われたかも知れません。

 この「正常性バイアス」とは、大きな危険に対して、危機感や恐怖を鈍らせ通常の感覚に戻ろうとする働きを表した言葉です。日常生活を送る上で、細かいことに傷ついていたらやっていけません。それを防ぐ機能ではあるのですが、災害時にはこれが悪い方向に作用するのです。

 例えば、揺れが治まって外に出たら、ご近所の人が片づけを始めていた。それを見て「あれ、大したこと無かったかな?」と思って一緒に片づけを始めたり、避難が遅れたりするのです。

 従って、我々が災害に直面したら、正常性バイアスから離れて、いかに緊急時のスイッチを入れられるかが生死を分けるのでしょう。広瀬弘忠・東京女子大教授は、「戦場のベテラン兵士は訓練の結果、思考する前に、「危険だ」と行動できる。兵士ほどではなくとも、災害に対してそういった感覚を磨くことが、生き残るために大事だろう」と述べ、「実践に近い形の訓練が有効だ」と勧めています。抜き打ちで行う、などの現実味を帯びた訓練には行政の協力が必要なので、個々人では、防災訓練に真面目に取り組むことから始めたいと思います。

 参考文献:避難遅らす「正常性バイアス」 広瀬弘忠・東京女子大教授
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